最近のニュースで山菜採りで遭難や熊に襲われたという話をよく聞きます。
それも初心者ではなく、山を熟知されているであろう年配の方が多い。
自分も過去に何度か危険な思いもしているのでその中から1つをご紹介します。
クマさんとの出会い
かくいう自分も1度だけ、しかも初めての本格的な山菜採りで熊に遭遇しました。
里山で、しかも車の横で採れるような場所でしか山菜を採ったことが無かった自分が師匠たちに出会い、無謀にも難易度の高い場所へ連れて行ってほしいという、今考えればかなりアホな話でした。
素人が山人について行く無謀な山菜ツアー
道中は登りで片道3時間位。
本来吊り橋がかかっている場所をわざわざ谷を降りて登ったり、雪崩で大木が倒れている所をビビりながら進んだりと、今まで体験したことのない過酷な道のり。
道中にはこんな落石も。
これ当たったら普通に死ぬよね?
しかも履き慣れていない足袋のせいで足はマメが潰れ血まみれの状態。
しかも途中で山菜を10kgくらい採ったため、帰りの道中は登りよりも+10kgの荷物を背負ってるという、かなり無謀な山菜ツアーでした。
行ってみるとわかりますが、山菜採りはむしろ帰り道がきつい。
荷物が増えることもあり、膝への負担が半端ないことになります。
また下りは楽な錯覚に陥るため無謀にもスピードを出し、しまいには途中から膝が常に笑っている状態でした。
突然視界に入った黒い巨体
そう。
今思えばたしかに予兆はあった。
ホヤホヤの熊の糞。
ハーハー言いながらなんとか師匠についていく自分。
今覚えば僕に気を使ってゆっくり歩いてくれていたんだよなー。
そんな中、師匠の一人が突然足を止めて指を指す。
『クマだ!クマクマ!』
自分は放心状態だったためよくわからないまま反射的に顔を向ける。
そこには確かに黒い物体がのそのそと動いている。
初めて見た野生のクマ。
ぱっと見で150kgくらいはありそうな巨体。
師匠は何をとち狂ったのか、手を振りながら叫んでいる。
『おーい!クマー!』
クマもこちらに気づき足を止め、じっとこっちを見ている。
「・・・この人はいったい何を考えているんだ。。。」
内心そんなことを考えながらも自分もアホなのでデジカメに手を伸ばし写真を撮る。
「・・。」
「・・・。」
「・・・手が震えてまともにシャッターを押せない!!!」
熊が放つオーラと、生まれたての子羊のようになっている自分の手足は言うことを聞いてくれない。
そんな中、なんとかまともな写真が数枚撮れた。
『俺20年ここ通ってるけど初めて見たよ~!会いたかったんだ~。』
今覚えば、師匠はかなり変わっており、
こんな本を買って読んでいるような人。
気づいたら自分もテンションがあがって手を振っていた。
熊との別れ
わいわい騒ぐこと2-3分くらい、熊がこちらに背を向けゆっくりと帰っていく。
なんというか、ものの2-3分の話だったけど、今でも10分はあったんじゃないかと思えるくらい濃密な時間でした。
時が止まるって恐らくこういうときを言うんだろうなと。
ちなみに特にオチはありません。
しいて言えば、かなり無謀な行動だったため、熊に会ってもこんな行動をしてはいけません!
ちなみにこれだけ強気な行動ができた理由としては【熊は川の向こうだった!】ということ。
もし近かったら確実に逃げています。
もし山で熊に出会ったら
北海道に生息するヒグマはさておき、ツキノワグマは元々草食で何も無ければ人間は襲わないそうです。
襲うシーンとしては、
自分の子供が近くにいる時
とのこと。
ニュースでよく流れるときは、決まって子グマがきっかけになっていることが多いです。
子グマを見かけても絶対に近づかないようにしましょう。
また、予防策として、
- 熊よけの鈴をつける(※必須)
- 山に入る前に爆竹やロケット花火でこれから人間が山に入ることを生き物たちに伝える
こういったことをしておくと良いそうです。
それでももし出会ってしまった時は、下りの方向に逃げると良いとのこと。
熊も犬と同じで、登りは得意だけど下るのは苦手なそう。
川に入るというのも良いと聞きました。
あくまで素人意見なのでご参考程度に。。。
山に行くと非日常的な空間を味わえ、自然のありがたみや自分のちっぽけさを教えてくれるから大好きです。
ぜひマナーや安全に気を配りながら山を楽しみましょう!